◇ 11月のバラの手入れポイント ◇
こんにちは。関東地方では秋も深まり、徐々に冷え込んできました。11月の前半は小春日和が多く穏やかな日が続きますが、気温が徐々に下がり、後半には木枯らしが吹き始めて冬の様相を呈してきます。
秋のバラはピークを過ぎても質の高い花を咲かせ続け、今年のシーズンは11月で終わります。秋のバラが素晴らしいのは昼夜の温度差で充実した蕾が日中の適温でゆっくり、また色鮮やかに開花するためです。秋のバラを楽しむには葉を落とさずに夏を乗り切ることが大前提となります。11月末には休眠期に入ります。
咲き終わった花は種子を付けないよう、また庭が見苦しくならないようできるだけこまめに切ることが大切です。
■病害虫の防除
気温の低下とともに病害虫の活動も鈍くなってきますが、中旬までは黒点病、ウドンコ病はまだ発生しますし、ヨトウムシやオオタバコガ幼虫の食害も油断できません。黒点病にはサプロール、ウドンコ病にはフルピカ、ヨトウムシにはオルトラン、オオタバコガにはアファームやスピノエースの散布をし、ダコニールなどの定期散布は中旬を目安に打ち切ります。
■施肥と水遣り
根は休眠の準備に入り、肥料をやっても吸収されませんので11月は庭植え、鉢植えとも施肥の必要はありません。水遣りは、気温の低下、生育の休止に伴って蒸散量が激減しますので、鉢植えの晴天が続いても5日に1回程度で十分となります。庭植えの株にはまったく必要ありません。
■咲きがら摘みと除草
ピークは過ぎたとはいえ花は咲き続け、散っていきます。寒くなっても咲きがらを放置するとヒップが肥大してきます。美観と株の消耗を防ぐために種子を付けぬよう、1週間に1回は咲きがら摘みを行うように心がけます。夏草に代わりハコベ等の冬草が生えてきます。放っておくと株元は雑草に覆われてしまいますので、1ヶ月に1回は大きくならないうちに除草しておきます。
また、落葉等溜まらないよう清掃をします。
■来期の構想
開花間近になっての強風は大きな被害になりますが、襲来が避けられない場合は9月に準じて対策をとります。
■来シーズンの準備
庭は限られたスペースなので期待はずれのバラ、名前のわからないバラ、うまく育ってくれないバラなどを整理して気に入った新しいバラを植えましょう。その際、花だけを見て決めず樹性のチェックを忘れずに。通販では欲しい品種が品切れにならないうちに納期を指定して注文すれば安心です。場所に合わず移植したい株も決めておきます。
■大苗の注文と植え付け
ホームセンターなどで大苗が売り出されますが、大苗の植え付けはまだ急ぐことはありません。植え替えも来月でよいでしょう。この時期に植えると新芽が伸びても低温で生長が止まり、花が咲くには至らず、栄養の浪費になりますので購入は12月まで待ちます。この時期にはバラ専門のナーサリーのカタログが出揃いますので、取り寄せて選ぶ楽しみがあります。今年目を付けていたバラ、ぜひ植えたいと思うバラを品切れにならないうちに注文します。
◎以上の作業は関東以西の作業となります。北の地方や降雪地帯にお住まいの方 はテキスト2、112ページの平均気温表をご覧いただき、時期をずらして作業しましょう。