◇ 9月のバラの手入れポイント ◇
最近残暑はお彼岸くらいまで続きますね。徐々に朝晩はしのぎやすくなり、中旬には剪定を終えた枝から勢いよく新芽が伸びてきます。この月の作業は主として病害虫の防除と台風対策となります。
■夏の剪定
残暑が長引く年は剪定がかなり遅れても大丈夫ですが、まだの方は中旬くらいに済ませます。できれば第1週には終えたいものです。中旬に入ると開花が11月にずれ込むことになります。
■除草
雑草も夏至を過ぎると早めに開花・結実するものが多く、肥料の浪費と今後の発生を減らすために早めの除草を行います。晴天続きならホーで掻きとるだけで乾燥、枯死します。
■病害虫の防除
降雨や気温の低下とともに黒点病、ウドンコ病が復活してきます。剪定で残した葉を落とさないように定期散布を10日毎程度に励行します。発生を見つけたら定期散布のレシピに治療薬を上乗せします。虫ではオオタバコガの幼虫が手当たり次第、葉や蕾を食い荒らしますのでアファームかスピノエースなどの特効薬に切り替え、剪定後から3回ほど散布します。ハダニも気温の高いお彼岸頃まで注意が必要で、今月いっぱいは対策を続けます。
■台風対策
今月は台風の最盛期になります。その襲来が予測されたら対策をとります。剪定後日の浅い時期の台風は被害が少なく、回復が可能ですが、つぼみが見えてからではかなりのダメージとなります。少しの鉢植えなら避難が可能ですが、数が多い場所がないので、通過するまで鉢を倒して傷みを防ぎます。庭植えでは動かせないので折れやすいシュートに支柱を立ててやります。つるバラもシュートが傷みやすいので2、3本をまとめてゆるく結束しておきます。
■施肥と潅水
7月夏の元肥を施してあれば地植えの株には肥料は施しません。元肥をやってない場合は化成肥料で追肥します。8:8:8の化成肥料を1株当たりチッソとして10gに加えて過燐酸石灰をリン酸として20g、この量を9月中旬、9月上旬、9月下旬の3回に分けて与えます。
鉢植えには置肥と液肥を続けます。
潅水は、剪定直後は葉数が減少して蒸散量が極端に少なくなっているので遣りすぎないよう注意します。その後枝の伸長とともに蒸散量が増えるので、今度は乾きすぎないよう気をつけます。
■除草
土に適度の湿りけがあるので、雑草の発芽が盛んになります。気温の低下と共にこれまでの夏草に代わって冬草が発生してきます。小さなうちに除草し、落葉も掃除して株元を清潔に保ちます。
■芽接ぎ
ノバラの台木がある場合は9月の中旬が芽接ぎの適期です。T字法で接ぐと年内に活着して翌春に芽を伸ばします。
◎以上の作業は関東以西の作業となります。北の地方や降雪地帯にお住まいの方 はテキスト2、112ページの平均気温表をご覧いただき、時期をずらして作業しましょう。