◇ 8月のバラの手入れポイント ◇

 毎年猛暑が続き、残暑が厳しいのでお彼岸頃までは暑がりのバラにはつらい時期です。この時期の管理は秋の開花にとって非常に重要な役割を担っています。
 8月の作業としては病害虫対策、除草のほか、元肥がまだなら上旬に、下旬から始める夏の剪定、台風対策などがあります。

病害虫の防除
 葉を食べる害虫やハダニは健在なので定期散布に殺ダニ剤を上乗せします。ウドンコ病は暑さで休業、黒点病は雨が少ないと活動は控えめですが、雨が続くと警戒が必要です。定期散布は月2回程度で十分ですが、秋の花のために剪定前の大事な葉を落とさないように心がけます。また、台風通過後も早めの散布が効果的です。

除草
 雑草も夏至を過ぎると早めに開花・結実するものが多く、肥料の浪費と今後の発生を減らすために早めの除草を行います。晴天続きならホーで掻きとるだけで乾燥、枯死します。

咲きがら摘み
 暑さ続きでも四季咲きのバラはどんどん咲いては散っていきます。美観と株の消耗を防ぐため、1週間に1回程度は咲きがら摘みを続けます。

夏の剪定
 8月下旬からは夏の剪定を始めます。気候のよい時期に開花させるために行いますが、四季咲き性のブッシュ(HT、FL、Minなど)が対象で、シュラブやつるバラは強く切ると枝は伸びても蕾が付かないバラが多いので、繰り返し咲きでも咲きがら摘み程度にとどめます。
 夏の剪定は冬と違って遅咲きの品種を早めに切り、早咲きのものを遅めに切ることによって開花期の調整が可能です。  大雑把にまとめると関東標準では遅咲きの品種は8月末に剪定し、早咲きのものは9月に入ってから(9月5日前後)切ります。別に開花期を合わせる必要がない場合は9月1日を中心に1週間程度の期間に剪定を済ませます。
 剪定の順序はまず、密度の調整で枯れた幹と弱小枝、内側に伸びた枝を取り除き、更に同じ場所から複数伸びた枝は1本にする。ついで長さをつめる、春の開花枝、今年伸びたシュートとも2段目の中ほどで切る。この際、葉が7枚以上残ること(1段目の葉はほかの枝と重複加算)、春と違って外芽で切る必要はありません。更に鋏を入れなかった枝は早く咲いてしまうので残した枝すべてに入れるようにします。病気で葉を落としてしまった株は上に準じたところで切ることになります。
 ポイントは枯れ枝や弱小枝を整理した後、葉を十分に付けて切ること、春の開花枝では2段目、新しく出たシュートではピンチ後の1段目のそれぞれ中ほどで切ります。

水遣り
 日照り続きでも庭植えのバラには水遣りは不要ですが、やる場合はたっぷりと与えます。鉢植えは最も茂る時期な上、干天で乾きが早いのでひどくしおれないよう気をつけます。

夏の元肥
 7月末までにやれなかった場合は8月上旬までに済ませます。鉢植えには置き肥と液肥を与えます。

台風対策
 8月下旬から9月いっぱいは台風シーズンの最盛期です。台風襲来の可能性が高くなったら、今年発生したシュートは根元から折れやすいので支柱に誘引してやります。長く伸びたつるバラも途中で折れないよう補強します。鉢植えは襲来が確実になったら鉢を倒して寝かせ、通過後直ぐに起こします。

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◎以上の作業は関東以西の作業となります。北の地方や降雪地帯にお住まいの方 はテキスト2、112ページの平均気温表をご覧いただき、時期をずらして作業しましょう。


◇8月のバラの写真◇


▲葉を落とさずに繁茂した状態


▲黒点病で葉を落としたシュート


▲シュートには株元から葉がついている



▲夏の元肥 配合した肥料を株元にばら撒く


▲ホーで軽く表土と混ぜる


▲夏でもよく咲くニッパー(GC)

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