◇ 7月のバラの手入れポイント ◇
7月はバラにとっては環境激変の月です。梅雨も半ば、バラは2番花を咲かせ、下旬には梅雨も明けて酷暑が到来します。この時期を上手に乗り切れば華麗な秋の開花が約束されます。夏の元肥、病害虫対策、除草など多忙な日々となります。この夏、いかに葉を落とさずに越すことが出来るかが、花の出来を左右することになります。最初の関門といえる時期なので、雨の合間を逃さず手入れを進めましょう。
■2番花を楽しむ
2番花とは英語でセカンド・フラッシュ、HTは気温の上昇に伴って花径がかなり小さくなり、重ねも少なく1番花に比べるとかなり貧弱になりますので、側蕾も咲かせてよいでしょう。フロリバンダやシュラブはそれなりにきれいな花が見られます。シュラブやつるバラも夏まではよく花を付けます。折角の四季咲きなので楽しみましょう。2番花はどんどん咲いてどんどん散ります。ヒップが肥大しないうちに咲きがらを摘みます。実を付けたらその枝は生長が止まり、四季咲き性のものも咲かなくなります。
■シュートの処理
6月に引き続きシュートが発生します。HTやFLはシュートをピンチして幹の充実を図ります。ピンチは1回だけでそこから出た枝には花を咲かせてかまいません。ブッシュは頻繁に見回り、ピンチをします。シュラブやつるバラはこれを行わず、そのままなるべく真っ直ぐに伸ばします。
■病虫害の防除
ウドンコ病は引き続き発生、黒点病もしつこく広がりやすい時期なので、雨の合間を見て定期散布、防除に努めます。発生を見たら予防処方に治療剤を上乗せして収まったら止めます。暑さの到来と共に勢いは弱まります。害虫では特にミニバラ系でハダニに要注意です。また、秋のバラの大敵であるオオタバコガの幼虫が蕾を食害し始めるので、アファームなどの特効薬で対処します。梅雨、夏の期間に葉を落とさないことに集中します。
■夏の元肥
梅雨明け後の下旬に秋の花のために元肥を施します、量は冬の半量。施す時期が早すぎると発酵・分解が進み、夏の剪定前に効いてしまい、秋まで保たず、無駄となります。量的には冬の半量(チッソとして1株あたり10g(リン酸は30g、カリは10g))小規模の場合は油かすなどの有機質肥料に骨粉、溶リン、硫酸カリなどを配合して代用します。施し方は下部の周りにばら撒いてホーなどで軽く表土と混ぜてやります。そして乾いた土の中でゆっくり発酵して夏剪定の頃にはじっくりと効いて来ます。鉢植えには元肥の形でなく、前月同様、置き肥と液肥を与えます。
■除草その他
梅雨明けまでは気温・湿度とも高いので、雑草の生長は驚くほど早いものです。小さいうちに取るように心がけましょう。稲わら、腐葉土、ピートモスなどでマルチングすれば乾燥防止と雑草の発芽防止に効果があります。鉢植えの水遣りは梅雨明け後、乾かしすぎないよう 目を配ります。
■水遣り
鉢植えの株はひどく乾かさないように気を付けます。庭植えの株も新しく植えたものや弱っている株には日照りが続いた場合には水遣りをしたら良いでしょう。回数は少なくても量はたっぷり(10リットル程度)を心がけます。
◎以上の作業は関東以西の作業となります。北の地方や降雪地帯にお住まいの方はテキスト2、112ページの平均気温表をご覧いただき、時期をずらして作業しましょう。