ナチュラルフード講座メルマガ 2013.2.14
「ナチュラルフード講座」 日本創芸学院 学習サービス課
お豆のこと
(ナチュラルフード講座 編集者)
◇お豆のこと
さて、今回は、豆のことを書きます。最近、豆にちょっとハマっています。豆の歴史を調べると、日本の豆の伝来はまず「大豆」が紀元前の弥生時代、ついで「小豆」が3世紀ころ。「そら豆、エンドウ」が8世紀ころ、とあります。いずれも中国から伝来したと考えられています。大豆に関しては、伝来当初は煮豆、炒り豆が主で、奈良時代に味噌やしょう油の原型となる発酵食品「穀醤(こくひしお)」の原料として利用されていました。日本のソウルフード、味噌、しょう油、がこの時代に登場したんですね。
◇黒豆
さて、もう2月なのに話はちょっと1月にもどり。お正月に黒豆、というのは、定番的なおせちメニューですが、皆様は黒豆は自家製でしたか?年末バタバタとしていると、つい惣菜店で調達、となってしまうことが多いかもしれませんね。実は私、そんな一人なんですが、今年は良い豆に出会ったので、作ってみよう!と前向きなモチベーションが高まりました。 と言いつつ、レシピと制作はフードコーディネーターの浅見由希子さんにリードして頂きました。
煮豆レシピ、私はよく失敗します(苦笑)大体が皮が破れてしまったり、色、形が整っていなかったり、ガッカリする事が多いです。皆様はいかがですか?
今年は、ちょっと気張って「新物」の良い黒豆を使ってみました。豆って結構いいお値段しますね。
さて黒豆ですが、やっぱりレシピを守り、忠実に作るとうまく出来るなぁと改めて思いました。
途中の写真も撮りましたので参考にして下さい。今回は、丹波篠山の黒豆を使いました。毎年12月ころに新物が出回りますね。ちょっと高価でしたが、煮やすいし、味もよいです。「煮やすい」というのがこんなに楽なんだと初めて知りました。レシピと調理ポイント掲載しますね。
◇黒豆煮
黒豆 | 250g |
てんさい糖 | 200g |
塩 | 小さじ1/2 |
しょうゆ | 大さじ1 |
水 | 1.5 L |
【作り方】
- 厚めの鍋に、てんさい糖、塩、しょうゆ、水を入れ、沸騰したら火を止める。さっと洗った黒豆を入れる。ふたをして、このまま6時間以上常温でつけておく。
※黒豆は膨張率が高いので、冷水に直接浸すと皮が破れてしまいます。さっと洗ったらすぐに熱々の煮汁に入れましょう! - 鍋を強火にかけて、煮立ったらアクをひいて、1/2カップの差し水をする。再び沸騰したらもう一度差し水1/2カップをする。
- .落としぶたとお鍋のふたをして、ごく弱火で6時間以上煮る。
- 沸騰させない。豆が揺れると皮が破れてしまう。
- なるべくふたを取らない。冷気にふれると皮がしわしわになる。
- 煮汁から豆が出ないように。汁から出た部分の皮がむけてしまう。
- 汁が少ない時はぬるま湯を加える。汁が少ない=火が強すぎるかもしれないので確認。
- 豆が柔らかくなり、煮汁がヒタヒタになったら火を止めて、常温で一昼夜置く。その後は冷蔵庫で保存。
※食べる3日前から仕込み始めるのがオススメです。
▼6時間漬け置くとこんな感じに膨らんでいます。
うまくできそうな予感♪
▼ワックスペーパを丸くカットして、蓋もしっかりします。
豆が汁の中で動かないように、ごく弱火で煮る。
※煮ている間にしてはいけない事!
黒豆の食べ方アイデアとして、豆を適当に潰して、ホイップクリームや、豆腐クリームと混ぜてパンやクッキーにトッピングやサンドします。ヨーグルトにも合いますよ。黒豆はスイーツにもなるし、お正月だけでなく時々作ってレシピ開発してみるのも楽しいですね。玄米と黒豆で酵素玄米もパワフルです。
◇小豆
さて次は、丹波産大納言小豆の新豆を使って、ぜんざいとおはぎを作りました。小豆は古来から、邪を払うと言われており、「陽力」のある食べ物として重宝されてきました。大納言小豆は粒も大きく、色も明るい色彩です。
▼新豆のぜんざい。皮がやわらくて上品な味。
超ナチュラルな仕上がり!写真でも粒の大きさがわかりますね。
ぜんざいのレシピの甘みはお好みに加減して下さい。私たちはあずきの味をできるだけ味わいたかったので、てんさい糖は控えめに作ってみました。
レシピは3つに分けました。1つ目は「あずきを煮る下ごしらえ」そこから「ぜんざい」「おはぎ」のレシピに分かれます。あずきあんは、作っておくと冷凍保存もできて、便利です。冬のおやつにほっこり、できますね。
◇小豆を煮る
小豆 | 150g |
小豆を煮る水 | 適量(レシピ参照) |
【作り方】
- 小豆はさっと洗って鍋に入れ、豆がかぶるくらいの水を入れて火にかける(強火)沸騰したらゆで汁を捨てる。(渋切り)
※古い豆(ひね)の場合は浸水させる方法もある。また、アクの強い豆は2回渋切りするとよい。 - 再度たっぷりの水を加え、強火にかける。沸騰したら弱火にし、指で簡単に潰せる位のやわらかさになるまで、弱火でゆっくり煮る。強火だと皮が破けてしまい、煮えるまでに豆の形が維持できない。途中でゆで汁が少なくなった時は、差し水をする。小豆が煮汁から頭を出さないように注意。新物は、40分ほどでやわらかくなる。古い豆だと、2時間ほどかかる場合もある。様子を見ながら調整する。
- 小豆が柔らかく煮上がったら、ざるに上げてゆで汁を切る。
※ココから先は、ぜんざいやお汁粉、おはぎ、などに調理が分かれる。
◇ぜんざいを作る(4人分)
小豆 | 150gを茹でた物 |
てんさい糖 | 80g~お好みで |
塩 | ひとつまみ |
水 | 400cc~お好みで |
【作り方】
- 『◇小豆を煮る』で完成したゆで小豆を鍋に入れ、分量のてんさい糖と塩、水を加える。中火にかけて、沸騰したら弱火にし、10分くらい炊き合わせる。
※分量の水は、アクが出ていなければゆで汁にしても良い。 - 煮あがったら火を止め、一度冷まして味をなじませる。温かく食べる時は再度火にかけて温めてから頂く。
◇おはぎを作る
小豆の基本の煮方で粒あんを作り、おはぎを作りました。小豆 150gで、6個くらい(大きさによる)のおはぎが作れます。もち米は白米を炊く時よりもちょっと少ない水分量で、炊飯器で気軽に炊くことが出来ます。
小豆 | 150gを茹でた物(おはぎ6個分くらい) |
きび砂糖 | 150g |
塩 | ひとつまみ |
もち米 | 2合(10~12個分くらい) |
きな粉 | お好みで |
塩水 | 手水用に用意する |
【作り方】
- 『◇小豆を煮る』で完成したゆで小豆を鍋に入れ、強火にかけ、鍋底を混ぜながら加熱していく。2、3回に分けて、てんさい糖を加え、最後に塩を加える。ヘラですくいあげて、ポトリ、と落ちる程度の固さになったら、バットなどに移し、落としラップをして冷やす。
- もち米を炊く。
軽く洗米し、白米より少なめの水加減で炊く(炊飯器で炊くので吸水不要)。
※もち米は手早くすすぎ、すぐに水を捨てて、軽く2~3回すすぎ洗いします。 - 炊きあがったら15分程蒸らし、しゃもじで一度底から返し、塩水で濡らしたすりこぎなどで米を潰す。米粒の食感が残る程度を目安にする。
- 塩水をつけた手で3を丸め、周りに粒あんをまとわせる。
※きな粉の場合は、粒あんを3で包んで、きな粉をまわりにまぶす。
▼甘みを加えて、ある程度の固さになったらパットに取り出して
ラップなどでふたをして冷ます。小分けにして冷凍もできる。
【もち米の炊き方と成型】
おはぎの小豆の分量ですが、きな粉、粒あん、各6個くらいで、小豆各150g。
小豆300g目安で煮ておくと、きな粉、粒あんの2種のおはぎが、もち米2合で作れます。もし小豆が余ったら、冷凍保存しておけば、お汁粉やぜんざいなどが作れます。子供のころの経験で、おはぎはもち米を2時間くらい吸水して、蒸し器で蒸して~「ちょっと面倒」と思っていたのですが、炊飯器で簡単に炊けたのは、新発見でした。これなら思い立ってすぐに作れますね。
さて、今月はお豆にテンションが上がってしまいました。この写真はネパールの豆を売るお店の写真です。ヨガクラスの友人が、ネパールに移住しているんですが、日本食が超恋しいと言ってました(わかる!)手作り豆腐を作ろうと、大豆を購入して作ったそうですが、あちらの大豆には特有のクセがあり、お豆腐には向かないようでした。今度は味噌作りに挑戦する!とメールにありました。それにしても、いろんなお豆カラフルで可愛いですね。
2月はまだまだ寒暖の差があります、インフルエンザも流行っているようです。
パワフルなナチュラルフードで免疫力を高めて、元気にお過ごしください。
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皆様こんにちは!
2月は、寒さがゆるみ春の足音を感じたり、冷たい風が吹いてまだ冬が居座っていたり。街では冬物バーゲンセールも終わり、売り場には春ものが並びます。
こんな早春の時期に、フキノトウや菜の花が出て来ますね。菜の花パスタやフキノトウみそ、など早春レシピは春の苦みが胃にも身体にも合いますね。フキノトウは昔から苦味健胃薬として胃のもたれや胃痛に用いられたそうです。養生訓などで、「春は苦み」と言われる由縁ですね。
旧暦では、如月「きさらぎ」。「生更ぎ」の意味です。草木の更正することを表しているそうです。また衣更着とも書くので、「衣(きぬ)を更に着る月」と言う説もあります。寒さが少しゆるみ、寒の戻りで再び寒くなり、一度脱いだ着物を着直すというイメージですね。日によって寒暖の差の大きい時期なので、着る物は、その日の気候に合わせて調節したいですね。